ビート!ビート!ビート!Vol.4 |
現在アマチュアのエレキ・ギター・グループは全国で8,000以上あり、まだまだふえる一方だと言われています。"エレキ・ギター・ブーム" 等と呼ばれていますが、こうした事実を見れば、エレキ・ギターの流行が決して"ブーム" と呼ばれるようなフワついたものではなく、もっとしっかりした、地についたものだということが判ります。 その数ある日本のアマチュア・エレキ・グループのアイドル的存在にあるプロのグループであり、日本のエレキ・ギター・グループのパイオニアーでもある、寺内タケシとブルー・ジーンズのゴキゲンな演奏を集めたLP「ビート!ビート!ビート!」の第4集をお届けしましょう。 常に何か新らしいものを求めて前身しているブルー・ジーンズらしく、今回のLPには自分達のオリジナル・ナンバーを多く収め、元気なところを見せています。 サァ、プレー開始です。ワン、トゥ、スリー、ゴー!! |
〈SIDE 1〉 1. ビートN0.1 (ミザルー) もともとはR・ロウバニスの作ったルンバなのですが、南カリフォルニアのクラブやダンス・ホールでディック・デールというギタリストが「ミザルー・トゥイスト」として演奏して以来、サーフィンの代表的ナンバーになっています。 その後5人組のインストゥルメンタル・グループ、ライヴリー・ワンズのパンチの効いた演奏が日本でもヒットしました。 |
2. ワイプ・アウト 先日来日したサファリーズの自作自演のヒット曲ですが、日本ではむしろヴェンチャーズの演奏の方が良く知られているようです。 "ワイプ・アウト" とはカリフォルニアのティーンズが造ったサーフィン用語で「波でサーフ・ボードから転落すること」だそうですから、最初の笑い声は、それを見て笑っているのでしょう。'63年の8月10日付のビルボード誌では第4位にランクされています。 |
3. 太陽のかけら ブルー・ジーンズの演奏は一転してイギリスのシャドウズを思わせるメロディアスでソフトなものになります。現在と過去が交錯しながら不思議な事件が起っていくという幻想的なミステリー、スウェーデン映画「太陽のかけら」の主題曲です。イントロとエンディングに入る風の効果音がミステリーのムードを高めています。 |
4. 星への旅路 サーフィン、ホット・ロッドなどと共にスペース・ミュージックと呼ばれる音楽があります。つまり宇宙音楽という訳です。イギリスのグループ、トネィドーズのヒット「テルスター」等がそのはしりですが、ヴェンチャーズも好んでスペース・ミュージックを演奏しています。この曲もヴェンチャーズのレパートリーの中のもので、作曲もボブ、ドン、メル、ノーキーの4人の共作したものです。 |
5. ロッカバイ・ラグ 続いての曲は、カントリー・アンド・ウエスターン畑では先日来日したチェット・アトキンスと共にナンバー・ワンを争うエレキ・ギターの名手マール・トラヴィスの作ったナンバーです。いかにもマールの作った曲らしくC&Wのフィーリングたっぷりな、そしてユニークなサウンドを持つ曲です。 尚マールはまた、「16トン」の作者としても有名です。 |
6. アウト・オブ・リミッツ 1962年、キャンディックス・レコードからサーフィン・インストゥルメンタル・グループとしてデビューしたマーケッツは63年の秋にワーナーに迎えられましたが、彼等がワーナーに入って最初に放ったヒットがこの曲です。1962年の11月末からヒットを始め、翌63年の2月には全米のヒット・パレードで第3位になっているスペース・ミュージックの一つです。 |
〈SIDE 2〉 1. 悲しき旅路 日本では数少ないフリーのディレクターとしてフジ・テレビで「ザ・ヒット・パレード」や「電話リクエスト」などを制作している、すぎやまこういちの手になるオリジナル・ナンバーです。どこか哀愁味を持った素晴らしい演奏をブルー・ジーンズはしています。 |
2. キャラバン バンド・リーダーのデューク・エリントンとジュアン・ティゾールが今から30年近く前の1937年に作ったものですが、ヴェンチャーズのレコードと共に再びフット・ライトを浴びる様になった曲です。 (1953年に1度リヴァイヴァルしていますが)寺内タケシのリード・ギターが伸び伸びと踊っているようです。 |
3. 夜霧のしのび逢い 最近の大ヒット・メロディーですね。映画「夜霧のしのび逢い」の中に使われていた曲ですが、その美しい哀愁を持ったメロディーと共に数多いレコードの種類が話題を呼びました。「禁じられた遊び」に通じるムードを持ったメロディーをクラシック・ギターの様な感じでかなで、バックをラテン・タッチで演奏するブルー・ジーンズとしてはユニークなスタイルがとられています。 |
4. 夜路 ブルー・ジーンズのリーダーであり、日本のエレキ・ギタリスト・ナンバー・ワン、寺内タケシが初めて発表した彼のオリジナル・ナンバーです。この後にも「スキー・ア・ゴー・ゴー」という曲が出るそうですが、オリジナルの少ない日本のグループの中にあって意裕的に自分達独自の作品を持とうとしているブルー・ジーンズの態度は大変立派なものです。 |
5. 月下のチャペル 最近のイギリス、アメリカのヒット・パレード界はリヴァイヴァル物が目立ちますが、この曲もその一つです。1936年にビリー・ヒルが作ったものですが、1954年に一度リヴァイヴァル、そして現在再びイギリスの三人組、ザ・ヴァチェラーズのヴォーカルでヒット、パレードを賑わせています。チェット・アトキンスを思わせるギターがゴキゲンですが特に後半のトレモロの辺りは抜群の素晴らしさです。 |
6. ハートで歌おう 今迄にもブルー・ジーンズに多くの曲を提供して来たメンバーの一人、加瀬邦彦の手になる曲に松本淳が詩をつけたものです。こうした自分達で作った独特のものを自分達で演奏し、アメリカやイギリスのグループのコピーから抜け出る様、他の多くの日本のグループも心掛けてもらいたいものです。 |
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