レッツ・ゴー・ブルー・ジーンズ

寺内タケシ/リード・ギター
日本が世界に誇るギターリスト。ご存じ「エレキ・ギターの神様」と、その道を志す若い人たちにあがめられている男。〈寺内ブシ〉といわれる独時のサウンドとアドリヴ・ソロは、最近ますます円熟味を加え、その魅力は聴くものを陶酔の世界に引き込みます。最近はもっぱら、エレクトロニクス・ギター(電子ギター)の開発に打ち込んで、相変わらすギターのことしか頭にない様子です。ニック・ネーム、テリー。
相田幹夫/サイド・ギター
石橋志郎とストーンズのリード・ギターとして活躍中に、そのテクニックと確実なプレイを、寺内タケシに認められスカウトされたもの。プレイの面だけでなく、アレンジャーとしても、その才能は高く評価されている。大変おとなしい性格で、ギターを弾かないときはプラモデルをひとりでコツコツいじっているという、ブルー・ジーンズのはにかみや。メンバーから、あい相(あい)ちやんの愛称で親しまれている。
石橋志郎/ベース・ギター
「寺内タケシとブルー・ジーンズ」初代ベースマンとして大活躍。解散後は、ストーンズのリーダーとして後進の育成にあたる。「ブルー・ジーンズ復活!集合!!」の寺内タケシの一声に、ギターの相田幹夫を引きつれて馳せ参した、寺内タケシの女房役。ダイナミックで乗りのよいプレイは右に出るものがなく、文字通り日本一のエレキ・ベース・マンである。ニック・ネームは、石(いし)やん。
ジョー水木/ドラムス
こまかいテクニックと大胆なプレイ。ほっそりとした身体からは想像も出来ないパンチあるたたき方。そのリズムの正確さには定評がある。寺内タケシをして「ブルー・ジーンズのドラムは、この男しかない」と言わしめた男。最近は、パントマイムに興味を持ちだしていろいろ勉強しているようすです。得意なものは、メダカとクジラの泳ぎ方。何をさせても器用な男。ニック・ネームは水(みず)ちゃん。
ルイ・高橋/ヴォーカル
クラシック、ポピュラー、ジャズ、歌謡曲、民謡と何をうたわせても抜群!その日本人ばなれしたフィーリングは、高音の美声を伴って、リズムものからスロー・バラードまで、にくいばかりにうたいこなしている。歌に対する情熱と才能を、寺内タケシに買われて、ブルー・ジーンズのゲスト・ヴォーカルとして迎えられた。実力派歌手ナンバーワン。ニック・ネーム、お伝(でん)・・・(由来は各自研究して下さい?)。

寺内タケシとブルー・ジーンズ復活にあたって〈寺内タケシ〉
 私はグループ・サウンズのギター・リストとして、「エレキ・ギターがまじめな楽器であり、決して不良少年をつくる楽器ではない無限の可能性を秘めた万能の楽器である」ということを主張し続けてきました。そして、大編成のオーケストラと他流試合を行うこと8カ月、エレキ・ギターがソロ楽器として、堂々とシンフォニー・オーケストラを従えて演奏できるということを証明しました。このことは、LP「寺内タケシ・エレキギターのすべて」(レコード番号SKD15)のヒットにより、皆様にも充分ご承認いただけたものと思います。
 しかし、私も含めて現在のグループ・サウンズ界では、プロの実力を持ったメンバーが非常に少く、又グループ・サウンズというものが、見せるということに気をうばわれて、実力の養成がおろそかになっている現状から、今こそ、グループ・サウンズの危機であり、これを打破しなければいけないと痛感しました。そして、ここにおそまきながら、「寺内タケシとブルー・ジーンズ」復活を決意したのであります。
 「寺内タケシとブルー・ジーンズ」は、演奏を主体としたエレキ・コンボであります。一般に、エレキ・バンドといえば、グループ・サウンズと同種のもののように考えられがちですか、決して同しものではありません。グループ・サウンズとは、ヴォーカルを主体とした、いわゆるロカビリーの延長であり、エレキ・バンドとは音楽的にジャンルが異なるのです。私は、このエレキ・バンドを〈エレキ・コンボ〉と称しています。「寺内タケシとブルー・ジーンズ」は、卓越したテクニックとコンビネーションから、どんな大編成のオーケストラにもまさる音色、音質、音域、音量を発揮するエレキ・コンボとして、すでに完成されたものであります。そして、エレキ・ギターをソロ楽器、伴奏楽器に使いわけるバントとして、今までの音楽史の中でも、革命的なものであります。
 エレキ・ギターを手にして20余年。ギターひと筋に生きてきた私ではありますが、このエレキ・ギターのソロ楽器、又伴奏楽器としてのサウンドの限界は、まだ解決されていません。しかし、その糸口はすでにほぐれているのであります。タライが電気洗濯機に、紙芝居がテレビに、ホーキが電気掃除機に発達したと同様に、やがて待望のエレクトロニクス・ギター(電子ギター)の出現により、エレキ・ギターの無限の可能性はますます増大して行くことでありましょう。私は、その日を楽しみに、ブルー・ジーンズとともにその開発に励んで行く覚悟であります。
 今後とも、「寺内タケシとブルー・ジーンズ」をご指導、ご叱声下さいますよう、心からお願い申し上げます。
LPについて
 さて今回のLPは、「寺内タケシとブルー・ジーンズ」復活第1弾として、「寺内タケシ・エレキ・ギターのすべて」に引きつづき、「エレキ・ギターは万能の楽器である」という寺内タケシの主張を実証することを目的として、企画されたものであります。しかし、「寺内タケシ・エレキ・ギターのすべて」が、100名にわたる大オーケストラをバックにソロリストとして登場しているのに対して、今回は、たった4人という最小編成で、寺内タケシのエレキ・ギターを中心に、ばらしいコンビネーションを保って演奏している点に注目していただきたい。タンゴから民謡、童謡、オリジナルに至るすべてのスタイルに、「寺内タケシとブルー・ジーンズ」が、すべてを出し切って、エレキ・コンボが現在演奏でき得る限界を感じさせるほどの、すばらしいできばえであります。彼らの成果とそのテクニックを十分味わって下さい。
曲目についてヒトコト:
SIDE1
1.ラ・クンパルシータ
 タンゴの超スタンダード・ナンバーですが、ブルー・ジーンズがこの曲をレパートリーに加えたのは、4年前のことです。ステージでは必ず最後の盛り上がりの際に演奏しています。
2.虹色の珊瑚礁
 私は今年の3月に旧婚旅行でハワイへ行った時、ワイキキ海岸で波乗りをして遊びました。その時、波間に見える珊瑚礁がとてもきれいでしたので、すぐに作曲しようと思ったのですか、遊ぶ方に夢中になりできませんでした。そこでレコーディング前の食事の時間にハンバーグを食べなから作曲しました。たいへん美しい曲だと作曲家は申しております。
3.最後の恋
 ブルー・ジーンズの名誉あるゲスト・シンガー、ルイ高橋が精魂こめてうたい上げたロッカ・バラードです。日本で唯一の黒人のフィーリングを持った高橋君の歌は見事です。
4.涙のギター
 日本で初めて和製ポップスとして演奏した曲です。今回は現代風にアレンジを改めました。
5.パパンパ・パン・パン
 私がハワイで遊んだ時に聞いた新しいリズム "ファンキー・ウォーク" を取り入れたリラックス・ナンバーです。これは大ヒットすると思います。
6.雨の想い出
 第一期ブルー・ジーンズ時代に加瀬邦彦が作曲した美しい曲です。私のギター・ソロか一段と曲の良さを盛り上げます。後半のチェンバロ・ソロは、キングのディレクターか飛び入り出演しました。よく聴いてあげて下さい。
SIDE2
1.荒城の月
 私はLPを吹込むたびに必ず、コンピューターでは予想できないような奇抜なことをするのが信条ですが、今回はこの曲で試みました。。日本に古くから伝わる雅楽の、笙、しちりき、を加えて、伝統的な日本音楽の良さをこの演奏の中に盛り込みました。
2.エル・クンバンチェロ
 ラテン・ナンバーからは、この曲を選びました。私の特微である早弾きのテクニックをここでエンジン全開します。
3.太陽に叫ぼう
 「パパンパ・パン・パン」と同じく "ファンキー・ウォーク" のリズムを取り入れた私のオリジナルです。このリズムはロック・ビートにウエスト・コースト系のモダン・ジャズのフィーリングを加えたもので、かなり高度なテクニックを必要とします。
4.通りゃんせ
 私が子供のころから大好きな曲です。この曲を弾くと、いつもまぶたに涙があふれてきます。音楽に酔い、音楽に感動することが、ミュージシャンとしての生きがいだと思います。
5.エンマ大王
 私の最新のオリジナルです。地獄で最も恐い存在であるエンマ大王をタイトルとして、サイケ調の曲を書いてみました。作曲したのは1969年4月29白(天皇誕生日)午後1時15分であります。作曲の動機は、いまだに自分でも良くわかりません。だれか教えて下さい。
6.マイ・プレイヤー
 「私の祈り」という邦訳があるロッカ・バラードで、ル高橋をフィチュアしました。プラターズ顔まけのグッド・フィーリングです。

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