嗚呼! 萬国殺しの活動大写真主題曲集

SIDE1
荒野の七人
黒沢明監督の「七人の侍」に魅せられたユル・ブリンナーが西部劇にした。監督は活劇を撮らせれば右に出るものはいないジョン・スタージェス、七人のガン・マンはブリンナーをはじめ現在では超一流になったスター達、だがその当時はテレビで知っているか無名に近い俳優たちだった。特にきわだって目立ったのが、スティーブ・マックイーンで今日の人気をきずきあげた。エルマー・バーンスティンの音楽を軽快なガンさばきでなくてエレキで迫ってきます。アル・カイオラ楽団のレコードがヒットした。
ジャニー・ギター
ペギー・リーの哀愁をおびた歌が大ヒット、ポピュラーのスタンダードとなった。男まさりで物欲のかたまりみたいな女(ジョン・クロフォード)が、ギター一本背に旅する男(スターリング・ヘイドン)と恋に落ちて行く話。まるで寺内タケシそのものですね、いいですね。シェーンや80日間世界一周等数多くの映画主題曲を作曲した故ビクター・ヤングの曲を、素晴らしいギターが奏でます。
皆殺しの歌
ジョン・ウェインの映画の中では一番面白くて楽しい映画ではないかと思う。町の保安官が、老人、のんだくれのガン・マン、若いガン・マンと暴力団を相手に闘う話、この曲は暴力団の一人を保安官事務所に捕えている時に、酒場から暴力団が皆殺しを意味させてバンドに吹かせるこの曲は、ディミトリ・ティオムキンがスペイン民謡から編曲。トランペットをギターに変えた寺内タケシとブルー・ジーンズもごきげん。
褐色のブルース
フランス映画「墓にツバをかけろ」の主題曲。黒人の弟が白人女とデートし、白人の若者に惨殺された。兄は復讐として白人女を誘拐し殺してゆくが、そんな中で一人の娘と恋に落ちアメリカ南部からカナダへ脱出する直前に射殺される。この曲は弟が海にたたずんでいるときに流れる。トランペットのスタンダード曲をまたまたメランコリックに寺内タケシのギターが奏でる。
グリスビーのブルース
アメリカのギャング映画とは違った面白さのあるフランスのギャング映画で、大流行のハシリになった。ジャン・ギャバンとリノ・パンチュラーの対決はすさまじい迫力で圧倒された。ギャング映画の主題曲にしては、やるせないぐらいの哀愁を漂わせ、ギャングのむなしさを表わした曲である。ここでは寺内タケシが機関銃をギターに変えて、あたかもエレキに手を出すなと云っているようですね。
地下室のメロディー
同じくフランス・ギャング映画の大作。ジャン・ギャバンとアラン・ドロンのコンビがカジノの金庫を破り大金を盗むが、ラストでプールに隠したトランクから札束が浮かび上り完全犯罪がダメになる。このシーンは圧巻であった。ミシェル・マーニュのブルース調のテーマ曲が随所に流れ、効果を上げた。
夜のストレンジャー
映画「ダイヤモンド作戦」の主題曲。映画はたいしたことはなかったが、この曲は、フランク・シナトラが歌い世界的な大ヒットとなり、数多くの歌手、楽団によって演奏されている。寺内タケシとブルー・ジーンズの演奏によって、また新しい魅力が感じられます。
SIDE 2
危険な関係のブルース
モダン・ジャズの主題曲として大ヒットした。セロニアス・モンク、アート・ブレイキー、ケニー・クラークといった錚々たるメンバーで作曲はアメリカジャズ・ピアニストのデューク・ジョーダン。この映画は夫婦の乱れた関係をテーマとして、フランスの恥部を描き、一時輸出禁止となっていた。ファンキーなモダン・ジャズをたくみにアレンジで見事に弾いています。
殺しのライセンス
007シリーズに刺激され、タイトルも世界で2番目にすぐれた秘密諜報員とふざけた映画。内容も007には足しもとにも及ばないくらいつまらないものであったが、主題曲はビートのきいたベースを中心に単純だが、軽快にまさにのって行く。寺内タケシのエレキで一度はききたかた曲。期待通りの快演です。
アラモ
70ミリの大画面にとにかく圧倒された大作。映画は西部劇史上かかすことの出来ない人物、デービー・クロケットとテキサス義勇軍のテキサスの独立を守る物語である。西部劇の主題曲を数多く書いているディミトリ・ティムキンの詩情と哀愁を帯びた非常にスケールの大きな曲を、これまたスケールの大きいエレキの迫力で西部の詩情を奏でている。
殺られるのテーマ
これもモダン・ジャズ。映画にモダン・ジャズが試みられたのは「大運河」に始まるが、これも代表作の一つとして上げられる。物語は、外国へ女を売り飛ばす一味に、たまたま自分のフィアンセがとらえられたので、彼女を救い出すまでのアクションとサスペンスに富んだ物語り。
雨にぬれても
映画「明日に向かって撃て!」の主題曲、映画も音楽(バート・バカラック)も色彩も良く、非常に深い感銘を覚えた映画であった。 この曲は、二人組のギャングの一人ブッチ(ポール・ニューマン)と彼らのガール・フレンド(キャサリン・ロス)が朝の野原を自転車に乗ってサイクリングしている場面に流れた軽快な曲。多くのアーティストにより歌われ演奏されている。寺内タケシのギターもぬれにぬれている。
殺し屋のテーマ
映画[契約殺人」の主題曲、テレビ「ベン・ケーシー」のビンセント・エドワーズが主演。これもたいして話題にはならなかったが、主題曲はとくにギャング映画の中で、忘れてはならないものの日膣である。この曲はとても哀愁を帯びている。殺し屋とは非常に孤独な陰ををもったものであろう。それをこの曲はうまく表わしている。殺し屋でない寺内タケシのギターもうまい。
網走番外地
さて萬國殺しの活動大寫眞主題曲集はラスト・シーン。いよいよ我国の代表作である網走番外地である。今や泣く子もだまる健サン、若者に神さまと崇められている健サン、不振の日本映画界の中で数少ないヒット・シリーズである。ここでは寺内タケシのエレキで聞いてもらいます。

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